能登半島地震について


地震翌日にこの図が専門家のコメントでテレビに映った。「おっと、これは貴重なデータだ」とテレビに近づいたところですぐに被災地の何度も見た映像に切り替わる。この図は二度と出てこなかった。
今回の地震を理解するのにとても重要だと思うのだが、テレビ局の人には興味ないらしい。
さて、図はネットで手に入れた。能登半島はカマのように折れ曲がっている。この地質を物語る地面の動きである。本州から能登半島の曲がっているところまでは北西向きに動いている。それが震源に近いカマの部分では西向きに大きく動いている。ここにはプレートの境界はないので動いたのは活断層。その向きが東西方向、本州からの北西に押されたプレートは能登半島日本海の東西の断層に力を加えていてエネルギーの放出として西に動いたのではないか。1m以上動くということはほとんどのエネルギーを横向きの動きに使ってしまった、つまり「横ずれ断層」といえる。被災地の倒壊家屋が多いこと、1階部分が潰れていることなどは横ずれ断層で大きな被害を出した阪神、熊本震災とよく似ている。現地に行って確かめたいのは倒壊した方向が東向きかどうかである。耐震性能の低い古い家屋なら検証しやすいだろう。

他の記事を見ると2014年に能登半島地震について論文が発表されている。活断層の存在、推定される津波などはこの論文の予想範囲内であったことがわかる。3年前から始まっていた群発地震のときにもう少し対策を取っていても良かったのではないか。
この活断層の地図を見ると、地形が変にまっすぐ、もしくは細長い、細長いものが直線上に並んでいる、というのは断層の地形といっていいだろう。能登半島ではカマが曲がった部分と佐渡がほぼ直線上である。また、震源も図にあるように直線上に並んでいる。
心配なのは1日以降震度5以上の地震が14回も観測されたということ。大抵の地震は本震でエネルギーが放出されて収束に向かうのだが。最近の論文にあるようにプレートの歪みだけではなく地下の水(のようなもの?) がエネルギーの供給をしているようだ。

被災地は大変らしい。まず、家を失った人。政府ではライフラインがままならないところにとどまらないで金沢富山方面の避難所に移動するように呼びかけているとか。
次に水道。半島北部地域は全面的に断水しているそうだ。大きな地震があったのだから仕方がないのだが。私が不思議に思ったのは能登半島全体の地域に水道が通っていること。人口に対して水道管の埋設距離はとんでもない数字になる。被災地に限らず古い水道管と地方への水道の供給問題は今は国家の問題だ。災害があるたびに水が出ない、生きていけないというのは、災害の多い日本としては問題である。地方では災害に備えて、もしくは水道問題に備えて、各家庭で地下水や河川や湧き水の利用を進めるべきではないのか。
私達都市部に住む人はただ「かわいそう」と言うだけでなく「少しおカネをあげよう」と言うのでもなく、水道問題をどうすべきなのかを議論すべきではないのか。

早速と言っていいのか、被災地に行ってものを盗むという悪い奴らがいるそうだ。自警団を作って監視し、見つけたら警察にいちいちひき渡すのではなく秘密組織で私刑にすればいい。命は助けてやるが、腕か足の1本は使えなくして、二度と悪いことや逃げることのできない体にしてあげればいい。行動も性格もとにかく許せない。