支援物資の提供(支援)を遠慮させて

興味深いニュースである。
被災地熱海が支援物資で困っているというのだ。
記事を読むとますます興味深い。
多くの避難者が、設備の整った市内のホテルに滞在し、物品が消費されなかったためだ。「食事の提供も、飲料の提供も、ホテルでしていただいております。今の段階で避難された方が必要としている物資は、ほとんどありません」
被災者は熱海の温泉ホテルで優雅に過ごしている、ということだ。
自分の土地建物を土砂に流されて「優雅」というのは語弊があるが、事情を知らない人から見れば、である。
熱海に住むということはそういうこと、高級別荘地ならではである。
さらに熱海は日本の大動脈の東海道にある。
物資や人流が不足することはほぼほぼ無いのである。
記事にもあるように
学校の体育館や集会所で身を寄せ合い、炊き出しを待つ――。東日本大震災(11年)や熊本地震(16年)などの大規模災害時、テレビのニュースで伝えられてきた、被災者たちの姿だ。
熱海の被災者は違うのである。
ところがアホのTV局は従来どおりの被災者像をオンエアしてしまう。
確かに体育館でひしめく被災者の映像は今回見ていない。
コロナで観光業が大打撃を受けていることも今回はプラスに働いた。

もう一つ
熱海の土石流の映像は衝撃的だった。
ところがである。
下流にある新幹線や東海道線の線路は無傷であった。
運が良かった、と言えるだろうが、今から60年前に作られた線路はあらゆる災害に耐えている。神戸の震災で70年代建設の高架が壊れたことがあった程度だ。
新幹線システムの偉大なところは単に運行システムだけではない。こうした土木技術も含めて偉大なのである。