「放射能水を投棄」「漁業者に打撃」海外で否定的報道

いつかはそうすることはわかっていたが、いつになるか、誰が決断するかがポイントだった。
その貧乏くじを引いたのが菅政権だったということだ。
どう考えても良い話ではない。
悪い話は次の世代に丸投げするのが、政治家と役人の基本的な考え。
ところが、福島原発の汚染水は物理的な限界を迎えたということだ。
今決断して今海洋投棄するしかない、退路を断たれてしまった。
悪い話であるから、マスコミも喜んで叩くし、漁業者は大反対である。
また、日本産、福島産の魚介類をバッシングする奴らも増えるだろう。
それもこれも福島事故なのである。
廃棄物の処理にうちの庭を使ってください、という人以外は安易に反対すべきではない。
誰も望んでいることではないのだから。
福島原発事故は人災と自然災害の複合事故。
東電が悪い、推進した人たちが悪いというのは簡単だが大地震が絡んでいるだけに責任を押し付けるのは難しい。
さらにこれからどうするかはとてつもなく難しい。
私達は奥歯に物が挟まったまま、ぐっと堪えるのみ。
3.11はそういう災害と事故だった。

私は原発推進派ではないが、反対派でもない。
少なくとも昭和30年代から40年代にかけて日本の電気事情は危機的状況だった。
黒四ダムの話は有名だがあれを何十個も作れるはずもない。
そもそも石油がいつか枯渇するという発想であるから火力を当てにできない。
原発以外の選択肢は当時なかった。と推察される。
今となっては、太陽光だの風力だのと大声で言う人はいるが原油価格が2倍になってもまだ火力のほうがお安いのである。
水素を作るには多量の電気を使うか、化石燃料(天然ガス)を使うかで実は解決策になっていない。
というわけで、3.11から10年たった今でも火力の次の選択肢は原発なのである。
すべての原発を稼働しても全体の3割程度だが、今のまま火力をフル回転させるほうが環境負荷は大きい。
毎年のように過去にない豪雨や台風災害、平均気温が上がり続けている。
原発の代わりに家や命を失う人が増え続けていいわけでもあるまい。
汚染水問題はそのまま日本のエネルギー問題につながっている。
科学的に健康に影響がない程度の放射線を恐れて、命や財産を失う、生活が苦しくなる未来を受け入れられるのか。