NSRの話


NSRの置物をもらった。
直接ではないのだけど、説明するのが面倒なので、先日バイクを購入するときにバイク店からもらった、ということにしておく。
購入したバイクは通勤用の原付きだが、バイク屋ではこの原付き問題が必ず話題になる。なんとホンダカブから脈々と続いた原付き50ccが来年なくなるというのだ。私も16歳のときから絶えることなく乗り続けてきた原付きがついになくなるというのは、複雑な、残念な気持ちでいっぱいである。
1980年代までは空前のバイクブーム。ラッタッターの登場で原付きは全盛時代。ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの主要メーカーからは、50ccから750ccまでとんでもない機種が次々に発売された。
当時の原付きは2サイクル全盛、ところがホンダは4サイクルのエンジンも生産。さらに、ロードスポーツ、オフローダー、アメリカン、カブなどのビジネス、モンキーなどのレジャー、軽い買い物用、さらにシティの荷室にすっぽり入るバイクまで各社いろいろ生産していた。
それが80年代からの3ない運動でバイクが売れなくなると各社原付きスポーツバイクを90年代から順次生産中止、いつの間にか原付きは4サイクルスクーターだけになった。
それが2000年代に入ると排ガス規制とかで2サイクルエンジンの廃止、そして原付きにも排ガス規制とかで2010年代には原付きの製造も縮小、メーカーも新型の開発をやめてしまいお陰で価格も上昇、そしてついに原付き、正確には50ccが2025年に廃止ということが正式に決まったという話。
私は物好きなのでなくなるとわかると欲しくなる。というわけで4月に入ってから私用と嫁さん用に購入を考えることとなった。
見積もりを見て驚く。普通の50ccスクーターの乗り出し価格が20万円を超えること。125ccは最低30万円と聞いているからそんなものなんだろうけど。

前置きが長くなった。
1980年代のバイクブーム、250cc以上は4サイクル、125cc以下は2サイクルというなんとなく棲み分けされていた。しかしながら、小さい排気量でパワーを出しやすい2サイクルはレースバイクを中心にないことはなかった。そこにボンとブームを作ったのがヤマハのRZ250かな。このあと50ccまでRZシリーズは広がる。ヤマハTZR、スズキのRGガンマ、そしてホンダのNSRがレプリカブームの中心になるわけだ。
同時にヤマハFZR、ホンダはCBR、スズキはGSRと4ストエンジンもラインナップ。スポーツバイクだけでカタログは一杯だった。
その中でも性能、人気で一番だったのがNSRだった。私はその原付き仕様のNS1に乗っていた。とにかくあのデザイン、2ストの感触が好きだった。
2000年には2ストが次々と消えたが、私は台湾の2ストバイクを生産終了まで乗り継いだ。
アホが「排ガス規制」などとほざいていたが、そもそも排気量が小さく車重も軽く数が少ないバイクと2000cc3000ccの2トンの自動車と同等の排ガス規制など整合性がない。
青い煙を吐いて高回転でグーンとトルクが出る2ストが懐かしい。

カワサキのバイク、特に50ccは触れませんでした。実はAR50という緑のバイクも乗っていました。カワサキファンの皆さんごめんなさい。