知床事故と社長会見

20人以上も殺してしまった事故である。今生きている責任者の社長に批判が集中することは仕方がない。ニュースも99%社長批判。仕方がないことではあるが。
私のように物事を斜め上から見る癖がある人間にはちょっと違う印象である。
その1 全員敵
私のように心が弱い人間には耐えられないシチュエーション、何を言っても批判されるだけである。そういうところに堂々とでかけていき、しっかり受け答えするというのは大した心の強さである。安全面では問題があったわけだが責任感はしっかりある。
その2 いいわけ
「どうして出航させたのか」と聞かれれば素直に「大丈夫だと思った」と言うしかない。実際出港時は海は穏やかであった。予報では午後に荒れるとなっていたので13時に帰ってくるなら大丈夫だろう、と考えるのは仕方がないこと。
もちろん地元の漁師や同業者が危ないことはわかっていたことなのだろうが、社長と船長はわかっていなかったということ。
だから許してあげろ、ということではなく知らなかったということだ。どこかの専門家も言っていたが、こういう時に出港できないようなシステムを作るべきだと。
その3 事故を防ぐには
都会の鉄道駅では線路に落っこちる、飛び降りる落ち度がある人のために何億円もかけてホームドアを設置しているという。本気でこのような事故をなくそうとするのなら中小のバスや船の業者にものすごく厳格なルールを押し付けることになる。実は99%の業者はこんな重大な事故など起こしていない。ルールを守れない、安全を軽視する一部の業者のために99%の健全な業者が無駄に負担増になっていいのか。
公共の機関では不祥事があるたびに「あれはだめ、これはダメ」と猛烈な数のダメが規約に書かれていて仕事に支障が出るほど。さらにお客様満足度を追求するから職場はブラックとなる。悪い人を追放すればいいのに、いい人を締め付けするというシステムの方に問題がある。