句読点「、」と「,」

今の職場になって文書作成で片っ端から朱書きで「訂正せよ」と突っ返される。
それが句読点の「、」「,」。
私は数十年来パソコンで普通に使っていた「、」だが「,」に直せと。
最初は冗談かと思っていたが、管理職だけでなく職場の先輩も同じ説明をする。
「教科書に書いてある」と学校の教科書を持ち出して「ここを見ろ」と。
すると「横書きでの句読点は「。」「,」を使う」とある。
いい歳をして知らなかった。
知らなかったと言うか、知らされなかった。
若い頃は正規の公務員もやっていたのだけど。
というわけでネットで調べてみた。
すると「。」「,」使用というのは昭和27年頃に文部省から提言されたとある。
昭和20年代アメリカの統治下にあった。
日本語表記の横書きが欧米向きに直された頃である。
一説には縦書きの印刷を横書きになおす時に「。」はすんなりできたが「、」は横にすると「,」になってしまったから、とある。
理数系の論文では「.」「,」を使うとあるが、これももともとは英語表記と連動していたからと書かれている。
というわけで公文書から教科書まで「。」「,」となった。
ところがである。1980年代に入りPC、ワープロが出てくるとデフォルトが「、」「。」なのである。
また、多くの日本人が句読点に「,」を使うというのは考えにくい。
新聞などのマスコミは横書きでも「、」「。」を使うと早々に表明。
一般の文書、雑誌、行政などでもPCの広がりとともに「,」は使われなくなったそうだ。
調べてみると法務省、裁判所、宮内庁文科省、教科書などの一部の省庁、行政でGHQ時代の決まりが守られている。
私はこの歳になって初めてその決まりの中に入ってしまったらしい。
別のサイトではアンケートが取られていて「。」「,」を使っていると答えた人は8%だったとか。
ちなみに「、」「。」が70%弱で多数派、なんと「.」「,」が22%もいたそうだ。
理系の論文を書いている人がそんなにたくさんいるのか、もしくはそもそも日本語以外で文書を作っている人がけっこういるということか。
8%の中で教科書の割合はばかにならない。
小学生から高校生まで発行部数はとんでもない数、すべての記述が「。」「,」なわけで。
執筆者が「、」「。」としても、そのままでは検定にはねられるから編集段階で「、」を「,」に変換させたのだろうね。
というわけで、私が書いた顧客への広報も「,」に直せと。せっせと変換して帰るのが遅くなった。
ちなみに、厳密には日本語表記は全角なので「,」ではなく「,」とすべきだったがすんなり変換しなかったので半角のままアップした。