マイナンバーカードと10万円給付

久々のツッコミどころ満載のニュースである。
早速ポイントを整理してみよう。

その1 マイナンバーカードでオンライン申請
国民全員に10万円とはその手続だけでも膨大な作業が待っている。
そこで救世主としてのマイナンバーカード。
これがあれば書類無しでオンラインで申請ができる。
ところがである。
本来マイナンバーカードは住民基本台帳が基本データなのになぜか紐付けされていないとのこと。
そこで役所の担当者は二人一組で2つの画面を見ながら確認作業をするとのこと。
すでにマイナンバーカードの意味をなさない。
あれは番号だけで個人データが紐付けされるという触れ込みだから。

その2 二重申請に二重支払い
次の問題はオンライン申請が終わっても、終わったという画面にならないとか。
もしくは、申請受付のメールがすぐに来ないのか。
そこで心配になった人がもう一度申請をやり直すという。
最高20回とか。
問題はオンラインシステムが同じ人の申請をはねてくれないということ。
プログラムとしては最低だな。
さらにどこかの町では間違えて10万円を二重に振り込んだとか。
担当者が誤って、というのだけどこちらにも二重の操作をはねるシステムがない。

その3 申請の間違いを手作業で確認
先程のその1とかぶるのだけど、担当職員が画面を目視で確認して入力ミスを発見するのだそうだ。
多くの人がネットショッピングで経験済みだが、間違えて入力すれば次の画面に行けない。
間違いを減らすのと間違いを自動で直してもらうのがオンライン決済のいいところ。
それを職員が目視でチェックというのはあまりにもひどい。

ということでいくつかの自治体ではオンラインで申請を中止。
もしくはやめるように要請という。
制度もプログラムも破綻したということだ。
いきあたりばったり、役所に丸投げという安倍政権の特徴がよく出ている。
というわけで公務員が大好きな紙の印刷物を郵送、返信した書類をチェックといういつものパターンに落ち着くそうだ。

さらに、その4
麻生太郎肝いりの10万円をいらない人は受け取らない政策。
これが申請書には名前の脇にチェックを入れるそうだ。
ところが、少なからずもらう人のと間違えてチェックする人がいるという。
チェックの枠に『受け取らない人』と明記されているし麻生発言以来ニュースでも取り上げられた。
それでもチェックを入れるのだから仕方がない。給付しなければいい。
ところがバカみたいに親切な役所の人は間違いかもしれないからと確認して振込手続にするそうだ。
おかげで私のところには10万円どころか申請書も来やしない。

マヌケな政府にマヌケな役人、マヌケな国民という日本の図式。
それでも世界でも有数のコロナ封じ込めに成功しているというからすごい。
このくらいのマヌケさが日本を平和にしているのかもしれない。
真面目で勤勉で心優しい古き良き国民性か。
コロナに関しては欧米のおおらかでズボラな(特にラテン系)国民性よりはマシということか。