「終戦記念番組」が少ない夏

というネットニュースを見た。
高校野球は昼間だけだしNHKの独占だからよかったが
今年はオリンピックともろかぶりで優先順位がそうさせた。
さらに70年も経ってしまえば、経験者も平均寿命以上になるし。
未経験者に悲惨さを伝えるというのはいよいよ難しくなってきた。
その上、日本で制作される戦争の悲惨さを伝えるドラマや映画はどうか。
愛する人が死んでつらい、という描写ばかりである。
これじゃ、交通事故や病死と大差ない。
家が燃えてしまって悲惨だというのも
最近の大地震や水害の方がよほど伝えるものが大きい。
映像の製作者たちは悲惨さを伝えないようにする多くの倫理規定にがんじがらめ。
終いには子供が描いた幼稚な絵を映して「こんなに悲惨だった」という。
ドラマを見ても顔に黒い炭を塗った役者がうーんうーんと歩いているだけ。
実際の現場は黒焦げの死体だらけだったはずだ。
東京大空襲の後、ガード下や街角に死体の山があったとか。
そういう映像でわかる悲惨さをすべて覆い隠して
悲惨な光景だったといくら言っても多くは伝わらない。
倫理規定を見なおして、戦争の悲惨さを伝えるためなら
黒焦げの死体も手足がふっとんだ死体もオンエアしても良い、と改正すべし。
R指定をかけてもよい。
くだらねー殺人事件のドラマは垂れ流していて、どうかしてる。
さらにヒトラーが民間人を大量虐殺、とか日本人による南京大虐殺など
戦争の狂気についても腰が引けている。
なぜなら、アメリカ軍こそヒロシマナガサキを別にしても
東京などの大都市空襲で一晩で10万人近い民間人を殺している。
それも焼き殺したのだ。
昭和20年に入ると日本の制空権、防空能力はほぼなかった。
もしあったにしても、アメリカ軍はそういう軍事基地を攻撃すれば良かった。
アメリカをヒトラーや日本軍と同じ土俵に乗せて考察すべきなのだが
戦争特番ではほぼなかった。
先日、フィナーレ爆撃というネタのテレビを見たが最近では良く出来ていた。
8月14日から15日にかけて空襲して数千人を焼き殺したそうだ。
何の落ち度も罪も無い人を殺すのに良い、ということはありえない。
アメリカ軍の1年間で民間人数十万人もしくは100万人を虐殺した罪について検証すべし。
戦勝国はすべて帳消しというのがそもそもオカシイ。