前回ここでインフルエンザウイルスの感染経路について書いた。
自分で書いているうちに素朴な疑問にぶつかる。
『インフルエンザは空気感染しない』というのと
『インフルエンザは乾燥すると感染する』というフレーズ。
ウイルスは一応DNAを持つタンパク質でできた生物のようなもの。
これが、乾燥に強くて多湿に弱いというのは矛盾している。
水分に弱いのならそもそも生命体の中で生きられないではないか。
部屋の湿度を保つと感染しにくい、という文章はそこら中にあるが
生物学的にどうしてか、という記述は少ない。
私が見つけたのはこのサイトである。
http://www.11kenkou.asia/influenza/48_1.html
理論的に説明されているので、多分これが正解なのだろう。
ちょっとだけ紹介。------
インフルエンザウィルスが高温多湿に弱いというわけではないらしいのです。
ウィルスというのは、生き物以前のタンパク質の塊
で、湿気と乾燥のどちらが苦手かといえば、乾燥したウィルスは分解してしまうのですから、
当然湿度は高いより、低いほうが大気中のウィルスは早く死滅します。
にもかかわらず、インフルエンザの予防に室内の湿度を上げる事が効果的なのかといえば、
(1)乾燥した空間より、湿度の高い空間の方が、咳やくしゃみの飛沫範囲が狭い
(2)乾燥した空気の中では、人間の喉の組織が傷つき易く、ウィルスが入り込みやすい
というふたつの理由があるからです。
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空気感染しないわけだから、やはり飛沫感染。すなわち飛沫がどれだけ飛ぶか。
湿度によって飛沫の飛ぶ範囲はそんなに違うということなのか。
ポイントなのは、飛ぶ範囲と吸い込む範囲。すなわち高さだ。
飛沫が飛ぶ範囲は落ちるにしたがって広がっていく。
湿度が高ければ遠くには飛ばないが広がりながら落ちていくことは変わらない。
すなわち、口や鼻が低い位置にある子どもや寝ている人には感染しやすいということにつながる。
今回、調べるまでは私もウイルスは乾燥に強いと誤解していた。