振動というのは(波動)は密度の大きい物質のほうが速く伝わる。
空気の振動を音というが秒速340mというのは有名。
地震は地面(地殻)を伝わるので速くなる。
中学の教科書にも出てくるが地震波にはP波とS波がある。
P波は縦波、S波は横波のため速度とエネルギーに差ができる。
P波は伝わるのは速いがエネルギーは小さい。
大手塾では地震のP波とS波の速度はそれぞれ、秒速8kmと秒速4kmと教えているようだ。
これは基本的に地表近くの比較的硬いところを通る速さのようで
平均ではもう少し遅いようである。
緊急地震速報はこの弱いP波の到達を感知して大きな揺れのS波到達前に知らせようというもの。
昨夜の千葉県の地震では震源は銚子沖数キロと考えると
一秒で銚子や神栖といった震度5の範囲に到達。
千葉市成田市という千葉県中央部で60キロ程度なので8秒、
市川松戸船橋あたりで80キロ程度なので10秒でP波到達。
その間に緊急地震速報のシステムが作動するのでタイムラグが何秒か生じる。
市川船橋あたりで緊急地震速報を受け取るのはS波到達数秒前ということになる。
すなわち関東地方に住んでいる人間にとって緊急地震速報はほぼ役に立たない。
ちなみに昨夜は千葉県の私の勤務地ではS波到達と同時ぐらいに鳴っていた。
3.11の時は20秒以上余裕があったのに比べると違いがわかる。
もうひとつ
地球の内部構造が比較的正確に知られているが、だれも直接見たり測った者はいない。
それは先ほど書いた、地震波の伝わる速さや屈折率を正確に測定して
内部の密度の違いや境界面を算出した結果である。
地震はほんの少しだけ役に立つこともある。
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