名古屋市立見付小学校の理科室で、6年生の児童が酸素の濃度を調べる
実験をしていたところ、器具の接続を誤り、塩化水素が漏れ出した。
近くにいた児童8人がのどの痛みやせきなどの異常を訴え、
病院で治療を受けたが、いずれも軽症で間もなく帰宅した。
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この事件にはいくつかの要因が絡んでいる。
分析してみた。
1.教員に化学実験のスキルが十分あるのか。
特に気体を扱う実験の場合スキルが問われる。
事故が多いのも酸素、水素の実験だ。
2.創意工夫とスキルが一致しているか。
教科書にない実験をいろいろなところから情報を入手して
実験する教員が多い。
理論や副生成物など理解した上での実験なのか。
それともマニュアル通りのやっつけなのか。
http://midori.edu-c.pref.miyagi.jp/science/rika/NO11/NO11%206NEN%20KITAIKENNTIKAN.html
このマニュアルを見て原理まで理解できる人は少ない。
3.事故を予見できるか。
教材研究する上で予備実験を行うが相手は子供、何するかわからない。
ふざけたり間違えたりするとどんな状況になるか予見する必要が。
例えば実験最後に試験管を洗う際に割って怪我をすることもある。
4.塩化水素の知識はあるか
刺激臭のある気体で、水に溶けやすく強い酸性を示す、
水溶液は塩酸と呼ばれる。
少量でも吸い込めば唾液に溶けて強酸性になりのどなどに刺激を感じる。
というわけで塩化水素や最近話題の硫化水素の実験は
屋外かドラフトの中で行うのが普通である。
5.ガスの知識と危機管理能力はあるのか。
4の知識があれば塩化水素の匂いがした時点ですぐに対策をとれば
たいした事件にならない。
6.また、たいした匂いもしないのなら病院へ行くほどのけが人も出ない。
漫然と対処して救急車を呼ぶ騒ぎにしてしまったところに問題あり。