水素基本戦略を6年ぶり改定

政府は6日、「再生可能エネルギー・水素等関係閣僚会議」を開き、水素の利活用について定めた「水素基本戦略」を6年ぶりに改定した。2040年までの水素供給量を現在の6倍にあたる年1200万トンとする新たな目標を設けた。
というヤフーニュース。

水素は燃焼時に二酸化炭素を出さない次世代のエネルギー源として期待、というのが看板になっているのだけど、トヨタが水素自動車を発売したり住宅用燃料電池が実用化しているのにトヨタのディーラー以外で水素の話を聞いたことがない。
つまり本気で期待していないのである。
もちろんその理由は明らか。とにかく割高なのである。屋根につける太陽電池も電力会社が高額で引き取ってくれるという保険がついて広まっただけで、引取金額が電力会社の発電コスト程度となったら太陽電池は絶対にプラスにならない。さらに耐久年数が決まっていて初期のユニットの大量廃棄の問題もある。
話がズレた。
水素の製造コスト
2つのポイントがある。一つはアホが必ずいう「日本は海に囲まれている。水があれば水素が作れる。」 多分電気分解するつもりなんだろうが(中学で習うし)、エネルギーをエネルギーを使ってつくるという矛盾である。エネルギー保存の法則で絶対に得はしない。
もう一つは石油工業などで発生する副産物としての水素。副産物という設定なら製造コストは抑えられる。がここに落とし穴がある。落とし穴があるから普及しないのである。それは水素が常温で気体であること。気体のまま輸送や取引できるのならそれもありだが、そんな間抜けはいない。基本的に気体の多くは液体にして運ぶ。そのためには高圧にするか温度を下げるか。どちらにしろ液化するためにエネルギーを消費するわけで。水素の沸点はマイナス240度(ぐらいだったっけ) そもそも分子量が小さく軽い気体なので液化するには苦労する。
液体窒素のように実験室でちょいと使うといってもコストは大きいので嫌な顔をされる。それを今の日本のエネルギーに置き換えるなんていうのは夢のまた夢。
せいぜい税金を垂れ流して、今の人類には水素は無理、という答えを導き出すだけだ。
何百年に一人という天才が出てきて夢の水素システムを発明することを期待するほうが早い。
そんなに心配しなくても石油が枯渇すれば自動的にカーボンニュートラルになる。