陸自5.56弾

5.56弾は1960年前後に実用化され1963年米軍がM16を正式採用と同時に5.56弾として広く使われることとなった。1960年代後半にはNATO諸国で使われるようになり世界標準の弾となる。陸自では89式から採用されている。
5.56弾は小口径高速弾として開発、細いため直進性がよく装弾数が稼げる実戦的な効果が高い。弾自体は細くて小さいので破壊力は小さくなったが、対人戦闘には効果的でベトナムでの功績で世界に広まったと言われる。
さて、ニュースになった陸自岐阜での事件である。
事故ではなく事件、殺人事件となってしまった。犯人は18歳。4月に入隊で訓練を続けてきたと言う。すでに2ヶ月を経過している。テレビドラマで有名な警察学校も自衛隊の入隊訓練も楽な訳がない。偉そうに書いている私も途中で逃げ出すかもしれない厳しい日々だそうだ。実際、私の知人の息子も高卒で自衛隊に入ったものの1ヶ月で逃げ出したそうだ。
ここでポイントになるのが性善説、基本的に警官や自衛官や消防士や教員や医師はちゃんとした人だと思われていること。実際ちゃんとした人ではないと務まらない。ところが、採用過程でそれを見抜くのは難しい。人間の内側に潜む悪の部分はちゃんとした人ほどおもてには出さないのである。そしてその中でも万に一人の確率でこういう事件を起こしてしまうわけだ。人が死んでいるので現場から上の上官たちには処分が下るだろうが彼らには責任はあったにしても落ち度はない。心に潜む狂気を見抜くことなど人間にはできない。
さらにまずいのが、最初に書いた89式自動小銃。人に対しての破壊力は抜群。100m以上の的に対しての破壊力なので今回のように数mでの発砲では当たればひとたまりもない。
もう一つ
50歳以上の教官というのが引っかかる。自衛官の任期は一般企業と違って短い。もちろん階級などで違いがあるのだろうが。去年の小松でのアグレッサー墜落事故でもたしか50歳以上の隊員が操縦していたとか。経験豊かな指導力がある50代ならそれもよしだが、事故や事件の引き金になってはいけない。

これは昭和の時代のエアガンのM16。