まあよく降りますなあ。と挨拶には必ず付け加える。
関東地方も随分降っているし被害も出ているようだ。
弱り目に祟り目、という言葉が当てはまるかどうか。
戦史を表面的だが研究している私にとって、8月15日は特別な日だと思っている。
が、今日の12時に黙祷するというのに、多少の疑問がある。
終戦を公表した時間だから、というのだろうけど、英霊たちにとっては「君たちの死は意味がなかった」と断言した日、時刻である。この時刻を境に軍歌や鬼畜や非国民などの言葉や考え方はなくなってしまったのだ。「お国のために」と命を捧げた若者たちは、戦争反対を唱えて弾圧された人たちの気持ちはどうだったのか。さらに「私は貝になりたい」のように一般人が軍に入隊して戦犯として処刑されるという悲劇がこのあと起きるわけで。さらに数十万数百万人という非戦闘員の死、8月15日の12時で本当にいいのか。
もう一つ、今日考えるべきことは「誰が悪いのか」
当時の大本営にいた連中は基本的に死刑である。言い逃れはできない。
さらに、厳しい縦社会において上からの命令は絶対であり、どんなに優れた戦術家の現場のトップがいたとしても負ける戦闘を部下に命令したわけで。
大抵の現場は無知、過信、ミスをこれでもかと繰り返して多くの命を無駄にした。
この責任の所在をもしもきっちり追求したとしたら戦後に多くの上級軍人は死刑になるはずだった。
ところが、そこらへんの追求はなぜかやらなかった。それから50年70年たって軍隊はないがいまの役人政治家たちを見てみよ。自分たちの失政失策に対して一切責任は取らないし、責任を取らせるシステムもない。
私にとっての8月15日は誰が悪かったのか、何が悪かったのかを考える日である。
先日もここで書いたが、テレビでは次の世代に悲惨さを伝えたいという。
どうするのかと思いきや、ヨボヨボの年寄が出てきてブツブツ当時のことを言うのである。
昭和46年生まれの人が50歳である。テレビ番組を作っている中枢の人たちもそういう年代の人。
実は戦争のことなんて文字や白黒写真でしか知らないのである。
悲惨の意味は何なのか、と言えば父母や兄弟が血だらけになって肉片が飛び散って殺されたのである。その当時生きていた子供たちはみんなその残虐なシーンを見て血の匂いや皮膚の焼ける匂いを嗅いだのである。
いつの時代もそんなことを何十年もたってから子供に伝えないのである。だから戦争は何十年ごとに起きてしまうのだと思う。
10歳か12歳になったら広島長崎の資料館には行かせるべきだ。そしてNHKの映像の世紀をちゃんと見せるべきだ。気分が悪くなったり嘔吐する子供もたくさんいるだろう。それが悲惨さを伝えると同義なのだから仕方がない。それが嫌ならそうしたくないのなら「戦争の悲惨さを伝えたい」などと軽い気持ちで言うものではない。戦争の悲惨さは嘔吐するくらいおぞましいものなのだ。
NHKはお盆休みの3日間、くだらねー歌番組なんかやめてゴールデンタイムに映像の世紀の世界大戦の回を3時間スペシャルで3回オンエアしろ。第一夜は第一次世界大戦、第二夜は第二次世界大戦、第三夜は朝鮮ベトナム戦争でどうだろうか。50インチ以上の大画面で見てほしいね。
