戦争発言

北方領土を戦争で取り戻せ、という趣旨の発言をした国会議員。
見れば若者である。
1945年、非戦闘員も殺戮された悲惨な戦争。
その年に生まれた人は75歳になる。
戦後の混乱も覚えていないはずである。
大戦後も外国では紛争が起きていて悲惨なニュースはよく聞くのだけど
結局、過去の大戦も外国の紛争も人づてにもしくは映像で垣間見る程度でしかない。
75歳以下の人は戦争を知らない子供たちなのである。
もちろんその悲惨さは知るべきなのだが、経験はしていないしできない。
それどころか、目の前にある危機は戦争ではなく
60前後のオバハンや老人の運転するクルマなのである。
さらに、世の中の多くの大人は景気がいいだの悪いだの
儲かっただのコストが安いだの、お金の話しかしない。
これで若者が正常に(多くの大人が考える)育つわけがない。
子どもたちの夢は一攫千金のユーチューバーや起業家やスポーツ選手になりたい。
そこまで世の中を捻じ曲げておいて戦争発言はけしからん、
というのも真実味がない。
さらに
この議員はもともと酒癖悪く、以前にも問題を起こしていたとか。
地雷をいつ踏むかわからない。
そういう人材が国会議員になるという、人材不足も過去の大人たちが悪い。
二世議員以外は議員になりにくいというシステムも問題だし。
戦争によって親族知人が死亡、住む町や故郷が廃墟になることなど
誰も望んでいない。
もう一つ
北方領土問題に携わってきた人なら感じていることだが
このままではダメだ。
ロシアにしてみれば北太平洋の軍事拠点。
そう簡単にアメリカの同盟国に渡すわけがない。
日本も日本海東シナ海の島を固有の領土として係争中の国に譲るつもりはない。
どうしても返してほしいとなれば、このままではダメだ、となる。
だから戦争とは短絡的だが、これまでの歴史でも、
領土拡大と戦争は関連性があるのも事実。
若い議員を批判するのは簡単なことだが、70年もかけて進展しない領土問題。
若い議員の気持ちがわからなくもない。