夏休み理科教室のつづき
その2 ゴミの分別
20年ぐらい前まではプラスチックゴミは燃えないゴミとして処分場に埋めていた。
ビニール袋に至るまで基本的にはプラスチックだ。
ところが、俗にいうビニールと呼ばれるものは燃えるゴミとなっている自治体が多い。
20年前にレジ袋で燃えるゴミを出したら注意された。
そこで役所に電話して聞くと、「焼却ボイラーがプラスチックの燃焼熱で傷む」という。
ところが、実際燃えるゴミの何割かを占める生ごみ。
こいつを燃やすために重油やガスなどの燃焼促進剤を使っているわけで。
最初からレジ袋を混ぜて燃やしたほうがよっぽどエコなんだけどね。
さらに、ダイオキシン問題もあった。
今となっては、塩素を含むプラスチックは原則ダメになった。
燃やしても有毒物質が出ない、燃焼温度が高くならないプラスチックが主流。
というわけで、焼却炉の性能も上がったこともあり、プラスチックも燃えるゴミとする
自治体が増えてきたわけだ。
そこで問題になるのがペットボトル。
ポリエチレンテレフタレートはベンゼン環にCOOのエステル結合とジメチルでつながっている
燃やしても毒物は出ないはずだ。
二酸化炭素と水になる。
ところが、大量にゴミとして排出されるためダイオキシンと絡めて問題となり
リサイクルするという法律を作ってしまった。(確か??)
この頃から、ゴミを分別すれば環境に良いという図式ができた。
実際はPETをリサイクルするためには、まとめたものをガソリンを使って工場へ。
選別、大量の水、洗剤で洗浄。
さらに、高熱で溶かしてチップに加工する。
チップは他の工場へ運ばれて繊維を使った製品にするというのだが
ポリエステルとしての品質は悪く使いみちは限られているという。
リサイクル工場は大量の税金による補助金を使っての稼働であって採算は度外視。
したがって新たにリサイクル工場に参入してくる業者もない。
補助金が尽きればリサイクルも終わりだ。
リサイクルなど絵に描いた餅だ。
税金が落ちてくる一部の業者しか儲からない。
PETボトルは燃やしてしまったほうが環境に良い。
******
なんてことを、小学生に教えるのは刺激が強すぎる。
だから私は隅っこで黙って座っていた。