豪雨災害に見る自然災害の頻度

自然科学を仕事にしている私は自然災害には興味関心を持って見ている。
豪雨にしても地震にしても予知ができないものかといつも思う。
残念ながら台風の一部以外、被害を想定するのは難しい。
現代の気象観測が始まってから100年も経っていない。
地震に関しては戦後以降から現代の理論が確立したものだ。
私たちは地球の活動についてほとんど知らないのである。
3.11以降福島原発事故もあって想定する津波の高さを大幅に見なおした。
おかげで海沿いにある原発はみんな危険となったわけだが。
科学的に分析すると3.11の津波は700年から1000年に一度という巨大なものだった。
つまり、次に来るのは2700年以降ということになる。
三陸に作られた津波対策の防波堤は明治以降の津波の高さを想定したもの。
1000年に一度の大津波を防げるものではなかった。
また、その設計は間違っていなかった。
運が悪かったとしか言い様がない。
毎年、日本の何処かで豪雨が降って被害が出るのだけど
必ずと言っていいほど老人たちが『初めてだ』という。
つまり同じ所に豪雨災害は起きないのだ。
少なくとも、人の一生よりは長い周期ということになる。
神様はある意味平等なのである。
同じ場所に同じ人が生きている間は災害を起こさない。
自然災害のサイクルは人間のサイクルよりはるかに長いわけで。
いつも誰にとっても初めての経験なのである。
リスクを減らしたいのなら、高級住宅地に住むことをすすめる。
高級の所以は交通の便より災害に遭いにくいという経験則も含まれる。
大雨が降って被害に遭いやすいのは川沿い海沿いの低地、山間部の入り組んでいるところだ。
古くからお金持ちが住むような地域は、そうではない。
先人たちの教えや知恵はそんなところにもある。