職場の雑用係の私は今季最大のプロジェクト、掛け時計を交換するという作業に挑む。
たかだか数千円の時計と言えども公費で購入するのだから、面倒な書類を何枚も書かなければ。
先週、新しい時計が到着して古い時計を外した。
新しい時計は先日我が家でも取り付けた(もちろん自費である)電波時計。
機種は違うのだけどね。
外したサビが出ている時計はまだ動いているので研究室で一時預かり。
せっかくなのでホコリを拭き取りコンパウンドでサビの部分を磨いた。
サビは完全に取れるわけではないが、結構綺麗になった。
それよりサビが出るような素材を使っていることから結構いいものであることがわかる。
さらに丁寧に磨いていくと隅っこの方に『平成3年○○寄贈』と浮かび上がる。
えっ、今年は何年だっけ、とカレンダーを二度見する。
この時計は22年間も壁にぶら下がっていたわけだ。
ちょっとWIKIしてみた。
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1991年
3月
・ 熱海の海岸で行方不明になっていたタレント・若人あきら(現・我修院達也)が6日ぶりに発見される(9日)
・ 新都庁舎が完成(10日)
・ 広島市の建設現場で60tの鉄柱が車列に落下、死者14人(14日)
4月
・ バングラデシュ東南部でサイクロンが発生、14万人が死亡(29日)
5月
・ 滋賀県の信楽高原鉄道で列車同士が正面衝突、死者42人、重軽傷者415人(14日)
・ 横綱・千代の富士が通算1045勝という記録を残して引退表明(14日)
・ 俳優・勝新太郎が大麻取締法違反などの容疑で逮捕される(21日)
・ インドのガンジー元首相が爆弾テロで暗殺される(22日)
6月
・ 長崎県の雲仙普賢岳で大火砕流が発生、報道陣・消防関係者ら43人が火砕流に巻き込まれ死亡(3日)
9月
・ 千葉県で台風18号の集中豪雨、地下にいた工事作業員7人が水死(19日)
・ 台風19号の被害、死者およそ50人(27日)
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バブルの絶頂期を通り過ぎた頃だろうか。
新都庁なんて言葉がそれを物語る。
それとは別に普賢岳の事故、大きな交通事故が重なって起きた上、9月に台風被害が連発。
時代が大きく変化する直前だったのか。
数年後に阪神淡路大震災、次々に金融機関が倒産する時代が。
そして、3.11
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この時計は、そんな時代の時を刻んだというわけだ。
22年間もちゃんと動き続けたというのは立派である。
さすが世界のSEIKOである。
さて、最新機能を持つ新しい時計はどのくらいの時を刻むのであろうか。