カルディナGT


白鳥アーカイブス2009より。
トヨタの20年にわたるライトウェイトスポーツの集大成となる。
栄光のGTFourの冠が与えられた。
もともと初代セリカの兄弟車としてカリーナが存在した。
セリカとほぼ同じシャーシ、パワートレイン。
千葉真一が「足のいいヤツ」といわしめた名作。
個人的にハードトップがフォード風でかっこよかった。
カリーナは発展することなく尻すぼみになり
最終型は1.5Lのセダン中心、カローラのお友達となった。
ところがその最終型は一部のマニアには人気があった。
GTがラインナップされていたからだ。
ハチロクから脈々と受け継がれた名機4A-Gを積む最後の車種となる。
控えめな4AGのパワーがかえって楽しいというマニアもいたが
いかんせん見た目は完全なファミリーセダンゆえ話題に上ることは希だった。
このカリーナのワゴンタイプとしてカルディナが92年にデビューする。
ターゲットは人気のレガシィツーリングワゴン
どう考えても全ての面において凌駕することもなく目立たない存在。
カリーナ最終型に合わせてカルディナもモデルチェンジ。
セリカ譲りの3SGTを積んだGT−Tグレードができる。
さすがにパワフルで楽しいクルマだった。
そして最終型のカルディナが02年に発売。このカタログである。
すでにカリーナは消滅して同時に4AGも消滅。
セリカGTFourも消滅して3SGTもカルディナのみとなった。
90年代からあったコンセプトカーのWILLのシリーズにVSという車種があり
スポーツとは言えないが前衛的なデザインがよかった。
このカルディナはその流れをくみなかなかの意欲的なデザインで
それまでのカローラぜんとしたファミリー的な要素が無くなっている。
後方視界が悪いところまで受け継いでしまったが、デザイン優先というとんがった
ところがかえって潔い。
残念ながら営業的には成功とは言えなかったが、デザイン、最後の3SGT、
最後のGTFour、と、個人的には名車だと思っている。
打倒レガシィと言うには、走行性能が今ひとつではあった。
が、そこはトヨタ流。誰にでも運転しやすい角の取れたGTFourだった。
最近のトヨタ車やレガシィなどこの顔つきに近いデザインだ。
何度も言うようだがデザインはかなりいけている、時代の最先端だったと思う。