プリウスリコール、実は誰もわからない


プリウスについて取材した話。
馴染みのトヨタ店に行き営業マンやメカニックに話を聞いた。
(もともとプリウストヨタトヨペット店での販売が最初。整備も10年の歴史がある。)
まず、オーナーへのプリントを見せてもらう。
内容は報道ですでに告知されているものでしか無い。
私が知りたいのは原因は何でどう変化させるのかということ。
そのためにはプリウスのブレーキの仕組みについて少し勉強しなければならない。
HVには回生ブレーキがついている。
油圧ブレーキは運動エネルギーを熱エネルギーに変えるだけだ。
そこでブレーキの際に発電機を回して発電しようというもの。
本来のブレーキではないが減速はする。
トヨタは高効率化を目指していたのでこの辺の制御を細やかにした。
ブレーキペダルを軽く踏むとストップランプのスイッチが入る。
これを回生ブレーキののスイッチにしたと説明された。
さらに踏み込むと油圧が働く。
もともと回生ブレーキがはたらいているので油圧が少しでも効くと強い制動力になる。
これがプリウスのカックンブレーキと呼ばれる所以だ。
他社ではアクセルもブレーキも従来型と変わらずモーターや発電機がアシストする形。
トヨタの制御は群を抜いている。
ところが今回の問題は油圧が働くべきぎりぎりのところでABSが働くという場面。
話ではABSはやはり電子制御でロックするタイヤのブレーキの強さを油圧で制御する。
このときペダルからの油圧が一時的に抜けてしまう現象が今回の事件となった。
回生ブレーキと油圧だけの制御も難しいのにABSの制御が入ってくると安全性の順位からABSを優先させる。
この時の油圧の変化がポイントらしい。
屁理屈はわかったが実際どうなったのか。
工場にプログラムが届いてリコール整備をしたあと試乗してみたが誰も違いがわからなかったとのこと。
第一関東の都市部では滑りやすい路面なんて無いからな。
少なくとも降雪や凍結などの極端な条件で何度もテストしないと不具合はわからない。
トヨタ店の人たちも理屈はわからないまま、ただプログラムの書き換えをしているだけ。
整備する人にも運転する人にも誰にもわからないことを、あれだけ大騒ぎしている。
公聴会では被害者といわれるおばさんまで登場。
まさに中世の魔女裁判である。
マスコミは人目を引くために、議員は選挙のために、実体の無い事件をさばくことの
愚かさに気がつかないのだろうか。
学校では教員がちょこんとこづいたり、ちょっと叱っただけで「体罰だ」と騒ぐバカがいる。
(特にマスコミのこと)
その何百倍の幼い子どもたちが家庭内暴力の被害者になり何人かは命を落としていることの方がよほど問題だ。
面倒くさい事件は知らん顔して、叩きやすい相手お金を取りやすい相手の事件は無用に誇張してさわぐ。
このことについては万国共通のようだ。