上越新幹線、大清水トンネル、中山トンネル

70年代に田中角栄の鶴の一声で工事が始まったと揶揄される上越新幹線
実はこの工事に大変な人命とお金がつぎ込まれたことを知る人は少ない。
去年、石原裕次郎が主演した映画をSMAP香取君がリメイクした「黒部の太陽」が話題となった。
日本はどこの土地でも井戸水がでるお国柄。
トンネルを掘れば水が出る。
古くは東海道線丹那トンネルが難工事の代名詞だった。
ところが技術は進み、谷川岳を貫く大清水トンネル関越トンネル
青函トンネルなど長大トンネルがそれなりの工期でできるようになった。
と、思っていた。
ところがやはりそれほど簡単ではないらしい。
青函トンネルが難工事だったことは竜飛の資料館などみるとわかる。
ところがあまり世に知られていないのが上越新幹線の中山トンネルである。
高崎−上毛高原間に榛名・中山という15km程度の長大トンネルを2本を掘ることになった。
同時期に掘られていた青函トンネルは、全長も世界一、それが故に異常出水等の事故も多く、多数の犠牲者が出て世間の注目を集めていた。
ところが、その当時の工事関係者をして「青函よりひどい」と言わしめたほどの難工事が、このトンネルにあった。
山全体が巨大な水瓶のごとく大量の出水をして何度となくトンネルが水没したそうだ。
おかげで初期2000億円の工事予算が8000億円を超えてしまい、同時期工事の青函トンネル
工事費7500億円を超えてしまった。
こんな不名誉な記録は田中角栄国鉄の強い意向で表面化されることなくあまり知られていない。
http://www.fujii7.info/toki-exp/joetsushinkansen/history/history02.html
http://morioka.cool.ne.jp/tksoft/page024.html
私もつい数年前に知った話であった。
それからこの長いトンネルに入ると当時の苦労を少しだけ思い出すことにしている。