久々に全くわからないニュースである。
大きな事件があるときは、権力と権力、不正なお金の動き、狂気、ネットや宗教などの狭いコミュニティ内のいざこざ、目立ちたい、色恋沙汰といった原因があっての事件である。
今回の事件は、マンション建設反対住民に積水ハウスが屈した、というあまり物事を深く考えない人たちの意見が多数派。
この論理なら積水ハウスは景観が損なわれると建設反対住民に屈して建設を断念した、となるはずである。もしくは積水ハウスが建設を強行しようとしたが反対住民とぶつかって工事ができなくなった。なら、工事途中でやめた理由になる。
ところが、マンションは完成したのである。断念とはまったく意味がちがう。
次に行政との板挟みになったとある。建築許可がおりてマンションができたのであるから行政がタッチしたとも思えない。
積水ハウスは解体するほど何か落ち度、悪質な行為があったのか。
これも考えにくい。住民説明会、設計変更など対話姿勢は保っていた。さらに行政が建築を承認している。もし住民が文句をいうのなら完成したマンションではなく行政に対してだろう。
さらに郊外ではマンション建設では度々建設反対の住民運動が起きているわけで、大手の建設会社ならそのノウハウは持っていると思われる。
もし反対住民が積水ハウスや入居者に嫌がらせをした、もしくはすることを匂わせたとすればその行為は犯罪である。何らかの形で表に出て警察が動くはずだ。
国立市長が理由のわからない発言、と報道されている。市長もしくは役所にしてみれば今回の件はマイナスである。今後建設会社はトラブルは嫌だとこの地域の開発から手を引くだろう。自動的に周囲の建物は古くなっていき意識の高い住人だけが残り、年老いていく街になる。人は減るし税収も減る。つまり市長や役所が壊せとは言わないのではないか。言う権利もない。
完成したマンションを取り壊すなど前代未聞のこと、それなりの大きな理由か大きな力が必要になるのだが、報道に出てきた理由はどれも弱いのである。
積水ハウスは20億から30億の損が見込まれる。30億円と引き換えになった理由とは何か。逆にこれだけのマイナスの話題と30億の損で積水ハウスが得るものとは何か。一部のコメントに「積水ハウスの会社説明」に「人間や環境との親和みたいな事があるから」とあったが、もしこれが理由だとすればそもそもマンション建設は早々に諦めていたはず。あれだけの企業がそんなにバカだとも思えないのである。