先日地上波でオンエアしたものを録画して翌日観た。
ネタバレも含めて感想を。
私は原作を読んでいない。
が、東野圭吾の映像作品は手を加えなくても成立するくらい原作は緻密だ。起訴されずに釈放された殺人犯を憎む多くの善人が起こした殺人事件。という東野圭吾節炸裂のストーリー。
なんだけど、大したトリックがあるわけでもなく大したロケやアクションがあるわけもなく、実に地味な映像が続く。登場人物はいい役者を使っている。役者でカバーしようとしたのか。
まず問題なのが伏線回収できていない。10年前の殺人事件との関わりが結局一つしかなかった。チョイ役の雑誌記者はただ追い返されただけ。密室殺人のトリックも単純、その上気体を通すのに取っ手を外すというのも唐突だった。
そして何より問題だったのは事件のもととなった殺人事件は推理されただけで「いつか検証する」というセリフだけで終わった。推理だけでも3つの事件がつながって犯人が特定できたということで終わりだった。
食堂の奥さんや娘の存在関与も曖昧、ラストで罪に問われないという人たちも曖昧に終わっている。
ガリレオによる二重のどんでん返しが肝になっているが、2時間の映画でそれ以上の表現は本当に無理だったのか。パレード、心象の映像はもっとカットして良かったのではないか。
いろいろな意味でテレビスペシャル程度の内容だった。
俳優をもう少しお安い人に変えれば年末スペシャルぐらいの予算で作れたと推察した。