オーバーツーリズムとは

今日のTVタックルは面白かった。
連休間近のオーバーツーリズムについてのネタ。星野リゾートの社長が出ていて興味深いコメントをしていた。
その中で、気になったネタを紹介しよう。番組では中年以上の旅行がテーマらしい。
ホテルは単に宿泊だけてなくいくつもの体験アミューズメントを、というもの。
到着するとサイクリング、ヨガ、書道と体験してお風呂に入り豪華な食事。これで一人16000円から、というもの。私にとっては何か違和感。まず、サイクリングとヨガと書道を本当にしたいのか、という素朴な疑問。正月の福袋みたいなもので「何が出るのかおたのしみ」というのを楽しみたいのならいいのだが。そもそもせっかくの休みの温泉旅行でそんなにいろいろやりたいのか。毎日、半肉体労働で疲れ果てて帰宅している私には考えられない。今日の日曜でも朝7時ごろに一度起きる。せっかくなので軽く朝食をとってまた寝床へ。次に起きたのは10時過ぎだった。交通で数時間かけてホテルに着いてから、体を動かそうとは思えないのである。20代30代なら別だろうが。多分この50代のモデルさんは会社で楽な業務なんだろうな。少なくとも体はあまり動かさないのだろう。年をとるとそういう仕事が羨ましくなる。
今の職場はデスクが2階、仕事場が4階と1階で階段のみ。さらに1フロアの廊下が50m以上もあり、午後には足が痛くなる。運動不足と年には勝てない。

もう一つ、連休は連休なんだけど9連休は嘘だ。29日の祝日は土曜日とかぶり恩恵なし。3日から7日まではしっかり連休だが5日間。休日が3日増えただけである。新年度の忙しさで疲れた体に3日の休日で渋滞にハマって混んでいる観光地にお出かけしようとはそう簡単には思わない。

もう一つ、コロナ禍のときはたしかに人出が少なかったので、何度か京都などにでかけたが、去年の12月末の関西旅行では新幹線も満席、ホテルも満室のオーバーツーリズムになっていた。そして、学生の春休み期間では旅行代金、宿泊料金はすでにコロナ前の水準かそれ以上になっていた。物価高騰が原因らしい。
連休後の週末の旅行を考えていたが、価格が高いのである。困ったものだ。

星野リゾートの社長は、祝日の地域による分散をさせてはどうかと言っている。もちろん盆暮れ連休のオーバーツーリズムのことを言っているのだが、もう一つの論点は観光産業の保護である。時期や天気によって極端に忙しさが違うと、正規雇用が難しいと言う。さらにコロナ禍ではっきりした産業の脆弱性。まったくもって水商売か山師。大学出て子育てしながらやる商売でもなくなる。つまり慢性的な人手不足の業界になりうる。だから繁忙期のサービスは極端に低下して、繁忙期の高額料金に見合うサービスが受けられない。それでも正規のサービスを求めるならそれなりのお金が必要となる。おもてなしの心とは別方向に向かっているわけで。
スキーブームのとき、1980年代、スキー場業者はひたすら金儲けに走りサービスや混雑になんの対処もしなかった。今となってはスキー人口は減り、業界は外国人頼みになっている。関越道が全通した頃にオーバーツーリズムについて真剣に考えるべきだったのではなかったのか。
カマスコミは大渋滞や観光地の人混みを面白がって報道するだけ。それに乗っかって人混み大好きな人達が沢山お金を落とす構造ができあがってしまい、今さら休日をずらすような法律改正はしないだろうな。