保津川下り観光船事故

観光船事故という言葉は知床の観光船事故で聞いたばかりのような気がする。
今回の事故は、これまでの乗り物事故とちょっと違う感じがする。

1.何も機械がない
整備不良だとか、故障とか、無線がつながらないとか、そういう理由が一つもない。観光船に機械やエンジンはないのである。船に穴が開いているという理由でもあれば、管理体制という言葉も出てくるが。事故の理由は船頭さんの操作ミス、人的な理由しかない。

2.その他の原因がない
船頭さんの操作ミス以外に何か原因があるかとニュースを見ていたが、川の状況や天気も乗客数も問題なかったようだ。会社の管理体制が、とこじつけることしかできないようだ。

3.船頭さん
前日は雨天で休業、そもそも春の運行が始まって日が浅いし、船頭さんの過重労働のセンは薄いな。さらにミスをしたのは10年20年のベテランだそうで。

4.乗客は無事
川に投げ出されたものの、けが人も出なかったそうだ。やはり救命胴衣は大事なんだな。逆に保津川下りの安全性が立証できたのではないか。

5.責任
事故を起こした船頭さんに刑事責任がある。民事としては先程会見があった会社、組合が責任を負うことになろう。部下のミスは上司の責任となるわけで会見では何度も頭を下げていた。

6.危険性
昔から「可愛い子には旅をさせよ」ということわざがある。この旅というのは「苦労」という意味だそうだ。庶民が乗り物に乗って旅をするようになったのはほんの100年前から。それまでは苦労して歩くことが旅だったわけで。今だって長時間の移動は疲れるし、山や海や川のアクティビティには大なり小なり危険が伴う。それも含めての旅なのだから。安全第一を願うのなら家の中にいるのが一番いい。旅をするのなら1万回に1度位は事故に遭うかもしれないし、100万回に1度くらいは命の危険に遭うかもしれない。平和と安全にどっぷり浸かってしまっている人が多い。
話はズレるが高齢者の運転事故も安全に酔いしれている人が多い。今まで安全運転だったからこれからも安全なんだ、という意味不明の論理で悲惨な事故を起こすのである。