私の職種は研究職専門職になるためか、残業制度がない。
いくら働いても100%サービス残業。
多くの同僚が遅くまで頑張って仕事している。
私は定時で帰ることが多いが。
最近になって広告代理店や宅配ドライバーの超過勤務が話題、問題となり
改善が進んでいるという。
身体を壊すような残業が許されるわけもないという前提で読んで欲しい。
私が18の時、大手デパートのお中元のバイトをした。
23歳のベテランのバイトがチーフとしてバイトを仕切っていた。
お中元商戦最盛期の日曜日、朝礼にチーフがいない。
寝坊したという連絡があったとか。
ところが朝礼の終わる頃には入ってきた。
「あれっ、連絡の話じゃ1時間ぐらい遅れるんじゃなかったの?」と聞くと
「チーフが遅れたんじゃ示しがつかないだろ、タクシーを使ったよ」という。
話では1日分のバイト代と交通費を使ったという。
私はこの時にバイトでもなんでも仕事をするということはそういうことだと教わった。
その後の私の仕事人生に生かされていないのは残念だが。
広告代理店でプロジェクトを時間通りに遂行する、
宅配がその日のうちにお客に荷物を届けるというのは大切なお仕事。
これは時間給でどうこうではなく使命、やりがいなんだな。
そのやりがいの中には出世欲も含まれるだろう。
興味もやりがいもない仕事をいやいや続けることはただの苦痛だな。
そんな仕事を選んではいけないのだ。
そのために、中学でも高校でも大学でも時間をかけて進路指導をするのだけど
多くの人が自分の偏差値と会社や大学の名前で行き先を選んでしまう。
親も仕事の内容などそっちのけで、会社の名前と給料の金額で喜ぶだけだ。
それで電通事件は起きた。
もし、広告代理店が残業を大幅にセーブすれば業績は下降する。
体調管理には悪い話ではないが、やる気やりがいのある社員には不満だろう。
宅配に関してはすでに値上げなどの弊害が出ている。
教育機関では部活動の時間が大幅に制限されて、世界に通用する有能な運動選手は
ますます育たなくなるだろうな。
過労死はダメだけど、40代前半まではちょっとしんどいぐらいまで頑張ることで
会社や社会に貢献して自分のスキルを上げていくのではないだろうか。
家族のために、だから仕事はやめられない、というおじさんは多い。
家族を養うのが仕事、結局仕事にもやりがいがなければやってられない。
自分の会社選びの失敗を家族のせいにするのはちょっとずるい。
本人にとっては切実な問題なんだけどね。
日本人は働きすぎだ、とよく言われるが、よくよく考えれば悪い話ではない。
思いっきり働ける環境のほうが実は優先されるべき課題。
客のクレームと上司の評価ばかり気にしている管理職の下では思いっきり働けないよなあ。
昭和の頃、私が20代、ダメダメの会社員でいつも失敗ばかり。
直属の上司が「私はあんたたちのためにいろいろな人に頭を下げるのが仕事だ」
と、酒を呑むたびにこぼしていたっけ。
おかげで失敗しながら少しは成長して、今でもなんとか仕事を続けている。
めぐり合わせも大切なんだなあ。
残業時間の長さだけで切り捨ててはいけないこともあるんだけどなあ。