国産車は星の数ほどあれど、フィアット500やMINIのような魅力的なコンパクトはほぼ無い。
MINIは長いこと5ナンバーで頑張って来たが今回のFMCで3ナンバーになったそうだ。
今回取り上げるのはMINI一族では範囲が広すぎるので
ここは一つミニクーパーとする。
私の古い友人がローバーのミニクーパーオーナー。
何度か乗せてもらった。
狭いながらも最低限以上の車内空間、そして低い車高。
軽さと低重心からくるダイレクトなハンドリング。
素晴らしい、とほめられるところは数少ないが、面白いのである。
世界に熱狂的なファンが数知れず、この面白さは唯一無二。
ところが、たいしたモデルチェンジもしないまま惜しまれつつ10年ちょっと前に消えものになる。
そして、BMWに吸収されて先代が発表される。
新型はまだ見ても乗ってもいないので、先代の話になる。
ローバーからのファンは大いにがっかりさせたが、それでもMINIとわかるデザインにした。
乗った感じはローバー時代とは違う今風の乗り心地。
その辺はさすがBMWである。
問題はエンジン。
もともと昔からパワーはミニマムであったが、ボディもミニマムなので
実際乗ってみるとちょっとだけスポーツマインド。
ところが、BMWのエンジンはちょっと期待はずれ。
楽しいとは感じなかった。
ところがクーパーSは良かった。
ターボでパワーが出ている、さらに足回りも固められて
あのミニクーパーのゴーカートのような乗り心地とスポーツマインドが復活した。
フィアット500同様、現代のクルマとして見事復活したといえる。
クーパーSは確かに楽しいが、ちょっとだけオーバークオリティ。
おまけに300万円をだいぶ超えてしまう。
かと言って、ノンターボでは相当物足りない。
今回のFMCはクーパーは全てターボとなり、下のグレードでも期待が持てる。
ミニクーパーはいつまでも魅力的なクルマであり続ける運命なのだ。