ローバーミニ、ミニクーパーは近くて遠いクルマである。
私の過去の職場や遠い友人で乗っているという話を聞いたくらいだ。
ミニも90年代にBMWの傘下になってしまい、ローバーミニはなくなってしまった。
国産車では同じ名称の車種であっても、モデルチェンジで別物になってしまうことはよくある。
特に80年代にはFRからFFに変更された車種が多く、全く別のクルマになったり。
ところがローバーミニは見事に同じなのである。
近しい友人が数年前に購入したとかで年に何回か我が家に乗ってくる。
96年式ということなのでローバーミニとしては最終型になるのだけど
10年以上経っているせいもあり新しいのか古いのか見てもわからない。
その、変わらないということが多くのミニファンを魅了している。
先日、しょっちゅう調子が悪くなるというローバーミニを改めて見せてもらった。
ボンネットを開けてうんちく話を聞かせてもらい驚いた。
エンジンレイアウトである。
59年に初期型がデビューしてから変化がないとのこと。
横置きFFというのは当時にしては斬新、今となってはスタンダード。
ところが、開発当時横置きFF用のエンジンがなかったため縦置き4気筒を横においた。
その名残が右側に見えるラジエター。
ラジエターが横を向いている。こんなんでちゃんと冷却できるのだろうか。
ミニのオーナーは常にオーバーヒートを意識するという。
と言うことはフロントグリルは何のためにあるのか。
左側に銀色の箱。これはコンピュータ。
雨風の当たるところにコンピュータとは。
このクルマはつい最近この付近の電気系トラブルでエンコしたとのこと。
真ん中にディストリビューター、右にオルタネーター、その下にエアコンのコンプレッサー。
なんともグリルの裏には電気系なのである。
よくぞ40年近くもこのまま作り続けたものである。
90年代にはこの狭いエンジンルームにインジェクション、コンピュータ、エアコンが追加されているわけで
大したものと評価すべきなのかビミョーである。
乗ってみるとそれはもうミニの世界である。何者にも代えられない。