聯合艦隊司令長官 山本五十六 -太平洋戦争70年目の真実

2時間20分の大作である。
つまらなければ早送りしてやろうとリモコンを持ってみていた。
ドキュメンタリー、再現ドラマのように変な誇張もなく淡々と話が進んでいく。
もともと激動の時代だから、淡々とは言っても見応えはある。
山本を美化しすぎている、というコメントを見たがそうだろうか。
三国同盟にも開戦にも反対だったのに、時代の流れは無情にも…という感じがよく出ていた。
ところが、ああいう性格ゆえ強く主張することなく悪い流れに乗っかって
結果的に日本をダメにした張本人のようになってしまった。
良い人に描かれているが、美化しているとは思えなかった。
年末年始にNHK坂の上の雲を一気に観た。
テレビドラマとしては異例とも言えるよくできたCGや映像だった。
それを観たあとにこの映画を観るととても合格点をあげられないな。
零戦の描写はいけていたけど。
あんなチープなCGならいっその事、円谷英二のような特撮で…なんていうのはもっと無理な話か。
もうひとつ、
この映画の優れたところは、時代背景をきっちり描いていることだ。
新聞社のシーンや飲み屋のシーンでうまく表現している。
「戦争が起きれば景気が良くなる」というセリフが耳に残る。
確かにこの時まで日本は戦争に敗北したことないし、本土を攻撃されたこともない。
世論は(軍部も政府も)アメリカに勝てると思っていたわけでお気楽な時代だったのかもしれない。
この映画の制作意図の一つに今の日本に照らしあわせて、というのがある。
ちょっと納得してしまった。