セリカGTFour


白鳥アーカイブス2009より。
部屋を整理していたら懐かしいカタログが出てきた。
トヨタセリカである。97年とクレジットがあった。
昔からセリカスカイラインはライバル関係にあった。
70年代はレースにおける過去の栄光にすがるスカGをセリカが切り捨てる、
というCMで話題になった。
排ガス規制のあおりで日産からツインカムが消えたがトヨタは2TGなどを作り続けていた。
しかしながらセリカスペシャリティというジャンルは泥臭いスカGとは違うと
ばかりにFF化してしまった。
ターボで武装するスカGとは違いこぢんまりしたクーペボディにこだわった。
ところがセリカには隠し球があった。
GTRが復活するより一足先にターボで武装したフルタイム四駆を投入した。
初期型は原田知世ちゃんの「私をスキーに…」でも登場する。
FFかFRかの選択の時代は終わり本格的なAWDスポーツの時代になった。
セリカはFMCをしてもGTFourは健在。
WRCでも活躍した。
ところがスポーツ不遇の時代になってしまいこのST205でGTFourは終わりになる。
セリカは初代からバリバリのスポーツではない。
適度にロールする弱アンダーなしなやかなサス。
パワーよりも低回転からストレートに吹け上がる扱いやすいエンジン。
適度な大きさの適度な剛性のシャーシと見事な80点主義のクルマだった。
(もちろんスポーツ、GTとして80点という意味である)
このGTFourは多少「ちからワザ」的な側面もあるが運転してみると
意外に鈍重で神経質なところが無く運転しやすいのである。
セリカはこの後のFMCでAWDターボは無くなったのだが面白いことに
3Sエンジンとこのパワートレーンは昔は兄弟車だったカルディナに引き継がれる。
GTFourの名称も引き継がれたのが興味深い。
そして今となってはセリカカルディナも3SもGTFourも消えものになってしまった。