新車の慣らし運転は不要!?

新車の慣らし運転は不要!? メーカーとエンジンチューナーとでどうして見解が食い違うのか。長く乗るならやっておいたほうが無難
というヤフーニュース。

私はこれまで原付バイクで通勤してきた。お陰で最大片道35kmの通勤などもあって数年で寿命、買い替えることになる。さて、新車を買うと決まって「最初のうちはナラシ運転で」と言われる。トラックがビュンビュン走っている片側2車線以上の国道を制限速度で走る勇気があまりない。さらに回転数を抑える、つまり急加速しないということなんだが、高級な原付きだとタコメーターがついている。タコメーターを見ていると非力な原付バイクはつねに8000rpmぐらいである。アクセルをオフにしても基本的に動力はつながったままなので6000rpm程度で減速している。多分ナラシ運転でとは原付バイクなら本来の姿、制限速度で走っていることがナラシ運転なのだろう。
さて、自動車はどうか。私が若かりし頃の昭和、ATに乗る人は珍しかった。MTの場合ナラシ運転はわかりやすい。タコメーターを見ながら最初の1000kmは2500rpm以下でシフトアップなどと徐々に回転数を上げていくというのが新車のルーティンだった。が、ATが主流になるとアクセルの踏み方だけのナラシ運転になった。ところが昭和の終わり制御が入った4ATになると普通に走っていればせいぜい2500rpm以下である。60km/hでは1000ccのエンジンでも2000rpm以下である。普通に走っている限り買ってから売るまでナラシ運転という人が大半だろうね。本来はナラシ運転しなければならないのだが、スポーツモードでサーキットや峠を攻めない限りずっとナラシ運転ということだ。
ナラシ運転の必要性について、機械部分の当たりがつくまで、製造時に残ったバリなどが取れるまで、という論理。
ところが言及されているエンジン部分はそもそもあたりはない。あんなに高速で動くピストンがシリンダーをこすっていたとしたら摩擦熱で数千度になって鉄は溶ける。オイルで浮いた状態になっていて永遠に当たらない。さらにギアなどの金属部品も今どきバリが付いたまま製品にするような工場もない。加工精度は最高水準、今どき最新の静岡県で作られるプラモデルでもバリはほぼないしね。
あたりがつくのはブレーキとタイヤの接地面だろうな。これは確かに実感できる。ただしタイヤが一皮むけるのは交換して工場を出て家に帰るまでの数十分だろう。数百kmも一皮剥けないタイヤのほうが怖い。
ブレーキパッドについてはいくつかの考え方がある。まず、最初の数十kmは確かに効きが悪い。その後に結構強く制動をかけて表面を加熱させてあたりを付ける、という方法があった。ずっとお爺さんのようなブレーキだと変なあたりが付いてキーキーとブレーキ鳴りの原因になると言われたことがある。
ただし今どきキーキーいうクルマを見たことがない。お爺さんやオバハンが乗るクルマでも、である。
ナラシ運転の必要性は機械原因よりも運転者がそのクルマ・バイクに慣れることが主目的のような気がする。