ウクライナ支援、空自の輸送機

ヤフーニュースでも取り上げられているネタ。
防弾チョッキなどのウクライナ支援物資輸送第一便に使われたのがKC-767。航空祭でたまに見る空自の空中給油機である。
それを支援物資の輸送に使うというのが、???である。
輸送機としてはC-130やもうすぐ引退のC-1がある。それなのになぜ空中給油機なのか。
これはちょっと前にNATO軍のA300の給油機でもここで書いたことだが、空中給油機は空中給油の機能がお尻に付いているが、それ以外は普通の旅客機なのである。米軍では旅客機としてのB707、DC10などの改造機を使っている。これらの機体はもともとが旅客機、輸送機なので人員や荷物を運ぶことができる。さらにERのように国際線に投入されていて航続距離も1万kmを楽に超えるのである。そもそも国際線用なので燃料積載量もそれなりにあり、特にタンクを増設しなくても空中給油機としての性能を満たすそうだ。
多分、空自としては日本では訓練以外に使われることがないKCを実戦で使いたかったのではないか。最新輸送機のC2よりもKCを先に使ったところに興味があった。
第二便は新鋭機C2が使われる。戦闘機や対潜哨戒機などはスクランブルなどで実戦として行動できるが輸送機というのは本来の軍用輸送はなかなか経験できないわけで。C130はこれまでも何度も戦地へ飛んでいるが今回はそれ以外の機体を使っている。
映画トップガンの前半のシーンで「ダメなら香港の輸送機勤務にするぞ」という台詞がある。輸送機で戦地へ飛ぶというのはそれなりの覚悟がいるということの裏返しである。輸送機は護衛がなければ敵戦闘機に見つかると数分後に墜落する。