最近、宇宙へ行くのに優秀な理系の頭脳や学歴や厳しい訓練の必要などなくお金を積めば行けることを知った。
幼少の頃、アポロサターンロケットが宇宙への乗り物だった。巨大な白と黒のツートンカラーの先端に行くほど細くなるロケットのデザインである。美しいかどうかは個人の感覚だがかっこいいことには間違いない。
ところが同時期、747ジャンボの背中に乗る宇宙船(のようなもの)の写真が話題になった。宇宙へ行く乗り物はちゃんとガラスの風防がある運転席があるいかにも宇宙船の時代になった。まさしくSF映画から飛び出した本物だった。
(ゼログラビティHPより)
いずれ翼の揚力で上空に上がりロケット噴射でそのまま宇宙へ、帰りはその逆という空港からの宇宙旅行が目の前というのがスペースシャトル計画だった。
ところがである。
大きな事故があったり、機体の使い回しの割にコストがかかるなどシャトル計画は中止になってしい後発の計画もなかった。ISSへ物資を送るのにロシアから発射という20世紀には考えられない時代になった。その上、ロシアのロケットは性能や信頼度は上がったにせよデザインは1960年代とたいして変わらない古風なもの。さらに打ち上げや帰還も昔とほぼ同じ形式。1950から60年代の発想や技術を超えるロケットはまだない。
飛行機形式で離陸して上空でロケット噴射はもうすぐ実用化されそうだが、せいぜい上空数百kmという宇宙というには高度が低い。飛行機の応用進化系でしかないようだ。
アポロの感動から50年たった。科学技術はデジタル技術はとんでもない進化をしたが、ロケットや飛行機は空気と翼、水素の燃焼というものすごくアナログなものなんだ。PCの画面ではどんなことでもすぐにできるが人間をほんの高度400kmに飛ばすにはまだこれだけの問題や障害がある。
火星に基地を作るのと人類滅亡はどちらが先になるか。