ステイホームで家で映画を観た。
去年話題になった「人間失格 太宰治と3人の女たち」
題名の通り小説ではなく太宰治を描いたものだ。
学生の頃から太宰治に夢中になった時期があった。
太宰治の生き方に同調はできないが何かひかれるものはある。
映画を観たあとwikiで調べたが、かなりよく再現されていると思った。
太宰の短い年表を見ると死ぬ1年前か2年前くらいからだろうか。
すでに結核はかなり進んでいて自殺しなくても命はそれほど長くはなかったか。
wikiによると最期の心中の現場検証では太宰が拒んだ形跡があるとか。
映画でも間際に「やめようか」と言っている。
よくできた脚本である。
しかしである。
監督の蜷川は映像美という言葉に流されて不要なシーンが長くて飽きてくる。
よくできた映画なのに長く感じてしまったのが残念。
太宰治を女性目線の美学で描くというのはなにか違う気がする。
もう一つ
2010年「人間失格」
生田斗真主演。
こちらは小説「人間失格」の映像化である。
そしてこちらも映像の美しさにこだわりがある。
蜷川はこれをベースにしたことが想像がつく。
太宰が自分の半生を描いた私小説であることが続けて観るとよく分かる。
さらにいろいろな女性が出てきて華やかな感じだ。
登場人物も実話に近い人達が出てくるのが面白い。
太宰はラストを津軽にしたのが興味深い。
彼は津軽に帰りたかったのだろう。
若かりし頃読んだだけでストーリーもほとんど頭から抜けてしまっていた。
映画を観ているうちに思い出すと同時に若かりし頃のダメな自分が蘇ってきた。
映画のストーリー同様、観たあとちょっと苦々しい気持ちになった。