ウイルスと次亜塩素酸

アルコールではなく次亜塩素酸水で消毒という話。
私も多少の化学の知識はあるが、実はよくわかっていない。
整理しておこう。
一般的に塩素消毒という場合、出てくるのは次亜塩素酸ナトリウムという物質。
NaClO
製品名では水溶液をハイターという名前で売られている。
名前を見るとわかるが○○酸ナトリウム。
化学では『塩』となる。
酸と塩基の中和反応で生じるのが塩。
ここでのポイントは次亜塩素酸は弱酸、電離度が小さい。
水酸化ナトリウムは強塩基。
したがってこの塩の水溶液はアルカリ性となる。
酸化力が強くその性質が殺菌作用をもたらす。
また塩素が遊離して漂白作用がある。
次に
次亜塩素酸、もしくは次亜塩素酸水
HClO
酸なのでHが頭にくっついている。
が、上記のように電離度が小さく弱酸。
さらに不安定で長期保存できない。
弱酸なので人体への影響が小さく食品の殺菌にも用いられる。
この次亜塩素酸ができるのはアルカリイオン整水器での反応。
水に塩化ナトリウムや塩化カルシウムを少量とかして電気分解する。

書かれているように陰極側に生成する。
実験室では塩素も発生するし整水器のように分離抽出できない。
そこで半透膜を使って製品化したものが次の図。

アルカリイオン水とか酸性水とか次亜塩素酸水というのはこんな感じでできる。

ここでのポイントは次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水は別物であるということ。
次亜塩素酸ナトリウム、つまりハイターは基本的に有害である。
ウイルスにも細菌にも有害だから殺菌消毒できるわけ。
次亜塩素酸水は人体への毒性は低いが不安定で専用整水器が必要である。
我が家にもアルカリイオン整水器があり酸性水を作ることもできるが
酸性水の出口のパイプの周囲に黒カビができた。
本当に殺菌効果があるのか個人的には懐疑的だ。
医療機器としての生成器の次亜塩素酸水なら効果はあるだろうが
家庭用の家電レベルでは微妙。
同様に考えると市販している次亜塩素酸水というのもあまり信用できない。
次亜塩素酸ナトリウム溶液にクエン酸などで液性を中和したものが売られているらしい。
こんなものを何百円も出して買うのなら、100円のハイターを希釈して使ったほうがいい。
ハイターは人体に有害なので使用には注意を。