乳頭温泉郷で硫化水素

硫化水素は毒ガスである。
自殺に使われることでも知られている。
独特の臭いがするため、人間には感知しやすいはずだが。
火山性ガスなどに混合していることが多く、箱根や登別などの
地獄谷は有名である。
私などは「温泉の匂い」としてわりと好きなんだけどね。
温泉の匂いというのがくせもので、山中で匂いを感じても危機感がない。
基本的に開放された屋外では、滞留することなく飛んで行く。
ところが、風がない日で窪地などには滞留してしまうという。
人間だけでなく野生の動物もそこに迷い込めば死んでしまう。
風のない日は山歩きには快適だけど、近くに火山や温泉がある地域では気をつける。
もう一つは、水に溶けると強い酸性を示す。
火山ガスの吹き出す地域は地獄谷と呼ばれているのは
強い酸性で植物が育たないため。
温泉の成分としてはいいのだけど、基本的に有害なんだ。
化学の教科書を見ると、硫化水素は多くの金属と反応して硫化物を作るとある。
多くが黒い化合物。
したがって、硫黄泉に金属をつけたまま入ると金属が酸や硫黄で変色してしまう。
硫黄泉が濁っているのはこうした金属が反応して硫化物になったのが多いから。
おかげで濃いお湯を堪能できるというわけだ。
硫化水素あるあるネタでした。