ゴーン容疑者、ゴーンショック

ニュースを見ているうちに、末期の舛添都知事を思い出してしまった。
それなりの能力があってのし上がっていったのに
それなりの収入と財産があったのになぜおカネの問題で失脚するのか。
それも他人のカネで贅沢したいというのだ、公金横領とでも言うのだろうか。
偉くなるほどそういう傾向が強くなる。
幼少期に貧乏だった人なのか。
対局に位置するのがよしもと芸人の話。
飲み会の代金は売れていなくても先輩がおごるという風習がある。
それはそれで不条理だが、自分の利益のために横領するより精神的に合理的か。
政治とカネで失脚の話はよく聞いたものだが、大企業のトップがカネの話で失脚とは珍しい。
次に
日産の反旗。
大企業のトップがそう簡単に東京地検特捜部に逮捕されるわけがない。
発端は内部告発、弁護士主導で東京地検特捜部に全面協力で証拠を積み重ねたと言う。
早い話がゴーンは日産から蹴っ飛ばされたわけで。
トップたるものは人を引っ張る能力が必要なんだけど
物理的ではなくて心理的に引っ張る力が必要なんだな。
あまりにも能力がありすぎてメンタルな部分をおざなりにしていたということ。
敵が多かったと容易に想像できる。
次に
日産の筋書き。
日産としてはゴーンを東京地検特捜部に差し出したわけで
それに伴う様々なデメリットについてもシミュレートしていたことだろう。
マスコミに対する対応はほぼ完璧だった。
さらに政府に対しても動きが早かった。
これは単に国交省に対してというだけでなく
ゴーン亡き後のフランスルノーとの提携関係を見据えてのことか。
次に
実るほど頭を垂れる稲穂かな
ゴーン政権でのトップとしての評価と人間としての評価が取り沙汰される。
数兆円の負債を抱える日産のトップになったときは逆風の状況。
それをバネにする強靭な精神力があったはずだ。
万単位のリストラ、恨みを持つ人も多かっただろう。
それを跳ね返す精神力があったはずだ。
ところがである。
黒字経営にして、ヒット商品を出して、販売数でトヨタを抜いて
と、順風満帆の状況になったときの彼の強さは何だったのか。
残念ながら過去の栄光にしがみついて多額の報酬をもらって
ふんぞり返るしかやることがなかったのか。
もし、身近に信頼の置ける部下がいるのなら、そいつが不正なカネの流れを見つけたら
「これはやばいです」と言ってもらえたのだろうが。
裸の王様、だった。
だれも「あなたは裸です」と言ってもらえなかった。
そこにゴーンの不幸がある。
どんなに地位や名誉やお金があっても、幸せにはなれない。