近所の若い親子の話

私の家の道路を挟んだ斜向いにDIYの好きな若いお父さんがいる。
4歳から6歳くらいの男の子が二人いる。
静かな住宅街なのでこの手のちびっこがいると目立つ。
窓を開けているとまともに声が部屋に入ってくる。
お父さんやお母さんは庭のDIYに夢中。
セメントをこねたりブロックを並べたりしている。
幼い兄弟は近くに公園があるので、そちらで遊べばいいのに道路でボールで遊んでいる。
声が大きいのにはいくつか理由がある。
それは兄のほうが弟にビミョーに意地悪をする。
弟はそのたびに半泣きの声を出す。
ボールがDIYの方に転がるとお父さんに怒られる。
見たり聞いたりしているとそれの繰り返しなんだな。
さらに、お父さんの声だけピックアップすると
「ボールを庭の方に投げるな」「意地悪しないで仲良くしろ」「ちゃんと謝りなさい」
を繰り返しているように思える。
私は専門家ではないのでここからは推測だが
この親子を見て思うこととは何か。
私は『愛情不足』と見た。
親子の間に愛情がないのではない。
子どもたちはお父さんの近くにいようとしているし、お父さんも気にかけている。
しかしながら、子供が不必要に大声を出す、意地悪をする、
怒られるのに父親の近くで何かをする、と言うのは全て愛情不足のサインなんだな。
愛情というのは子供にへつらうことではない。
子供のほしいものをなんでも買ってやることは愛情ではない。
子供のためと思って「危ないからダメ」「いけないことをするな」ばかりでも愛情ではない。
ただの管理である。
テレビドラマで家族のため子どもたちのためと会社で働いてきたお父さんに
妻や子供たちは「お父さんは家族のことを何も考えてくれない」と批判するパターン。
ご飯を食べさせるイコール愛情では無いんだよね。
前述のお父さんは庭を整備して子供たちと楽しいBBQなどしたいと考えているのだろうけど
幼い子供たちはそれを欲していないような感じだわなあ。
もう一つ
だからダメだった、とか、それでもうまくいった、という話はよく聞く。
子育てとか教育っていうのは、同じ方法でも結果が違うことなんてよくあること。
だから兄弟で全然性格が違うという現象が起きるわけで。
上の子がうまくいったけど下の子は今ひとつ、というのは
うまくいったのが親のおかげじゃなかったということ。
まぐれか親以外の人たちのおかげということだ。
そもそも完璧な人間などいやしないのに、完璧な親などいるわけがない。
子供は全然大したことないのに「私の教育方針はこうなんです」と
自信満々の人を見聞きするとなんとも悲しい気持ちになる。