変身、東野圭吾

90年代前半の東野圭吾の初期の作品だそうだ。
今回は原作ではなく最近ドラマ化した映像で見た。
脳を移植されて人格が変わってしまう苦悩を描いたといえばいいだろうか。
東野圭吾だから、緻密に書かれているのだけど
いろいろな意味で唐突なエピソードがあって、すんなり入り込めない。
さらに主人公と恋人との純愛がテーマになっていて
そういうのが好きな人にはいいかもしれないが、少し古臭い感じが鼻についた。
ラストでは病院に運ばれた3人の身体がどのように、というのが明かされて
なるほどと思うのだけど。
ラストはどんでん返しとは言いがたいが、納得できる成り行きだったと思う。
テーマは移植した脳が人格を変えていく、という話だったが
移植した脳によって本来の持っていた隠れていた人格が現れた、
というどんでん返しが後半にある。せっかくのどんでん返しなのに、
もともとの人格なのか他人の人格なのか煮え切らない感じがした。
それとも人格などもともとそんなものなんだという東野圭吾のメッセージだったのか。