危険なビーナス 東野 圭吾

久しぶりに東野圭吾の新作を読んだ。
感想は、、東野圭吾限界説。
経営が厳しいテレビ局向けの脚本という感じ。
登場人物が全員安っぽい。
伏線の張り方も弱い。
さらに大事なのが、結末の大どんでん返しなのだが
全部ウソでした、はあまりにも安っぽい。
さらに
出て来る女性がみんな美人でスタイルが良いらしい。
胸の谷間やミニスカートからの足など安っぽい表現が並ぶ。
鬼才東野圭吾はそれなりに納得した上での出版なのだろうけど
十分稼いだのだから、そんなに無理して書かなくてもいいのではないか。
もう一つ
ノーベル文学賞について話題になっているが
ボブ・ディランの作品についても評価されたのは60年代のもののようだ。
日本では60年代に川端康成が受賞している。
しかしながら、川端作品の評価は彼が若かりし頃の青春文学。
それがおじいさんになってから今さらの評価だった。
受賞後、川端にはやんやの原稿依頼。
その大半が20代の頃のような作品を求められる。
年老いた川端に書けるものてもない。
ということで69年に自殺してしまった。
文豪として適当にエッセイでも書いていればよかったものを。
ノーベル賞はときに残酷である。
東野圭吾は今となっては松本清張横溝正史と並ぶ大作家である。
無理に価値を下げるような仕事をしなくてもよい。