ジムニーのトラックけん引に驚き

15日にかけて、関東甲信地方が記録的な大雪に見舞われた
スズキの軽四輪駆動車「ジムニー」が大型トラックをけん引して救出したという
YouTubeに公開された動画では「さすがジムニー」などの声が集まった、
というニュース。
動画はサイトで確認して欲しい。
ジムニーが優れた動力性能があるクルマであることは間違いない。
しかしである。
物理学(かなり初歩)で検証してみた。
まず、物体を引っ張るという作業。
物体がどれだけ重かろうが、水平方向に引く力は基本的に0である。
重い物体を持ち上げるのなら物体の重力に対して仕事をすることになる。
1kgなら9.8N(ニュートン)である。
ところが重力と向きが90度違う水平方向には重力は働かない。
したがって、よく成田空港で子どもたちと旅客機の綱引きが行われるが
理論的に引く力は0で綱引きは成立しない。
ところが実際に物体を引っ張るには大きな力が必要だ。
それは摩擦力である。
摩擦力を限りなく小さくしていけばどんなに重いものでも簡単に水平方向に動かすことができる。
つまり、今回の事案の場合、トラックの大きさや重さよりもどれだけの摩擦力があるかということ。
何故4WDが雪道に強いかといえば、4つのタイヤがトラクションを稼げるということ。
つまり、ジムニーに雪上での摩擦力が大きいスタットレスタイヤを履いていて
4輪駆動で引いたとすれば、滑りやすい路面で動けなくなったトラック
すなわち摩擦力が小さいトラックを引くという光景は決して不可思議なものではない。
まわりくどくてすみません。