モルフェウスの領域 海堂尊

海堂尊作品はミステリーの上、豊富な知識からの医療問題をからめる。
最近TVドラマになった『AI』など海堂尊の強い意見である。
今回はコールドスリープが題材。
まず気がつくのがこれまでの海堂尊作品といくつか感じが異なる。
一つはほとんどSFであること。
アリアドネの弾丸 でもSFチックなMRIが出てくるがMRIは実際にある。
もう一つは誰も死なないこと。
ミステリーとは言いがたい。
それを穴埋めするかのごとく、登場人物がみんなスーパーマンのようにすごい能力。
謎解きをスーパーマンの特殊能力に頼ってしまっている所がどうも鼻につく。
結末は主人公の母性愛のような感じでオチが付いている。
一応大どんでん返しの体はとっているが、それまでが理屈っぽすぎて…。
という訳で、星4つ。