物体の持つ力学的エネルギーは、増えることがない。

また、摩擦や抵抗などもすべて考慮すれば減ることもない。
これをエネルギー保存の法則という。
高さ10mに1kgの物体があるとする。
この物体の重力は9.8Nである。
また、高さ10mまで自然に持ち上がるわけではなく
誰かが、もしくは何かがエネルギーを使って持ち上げた。
9.8Nの物体を10mの高さに持ち上げる仕事は98Jになる。
この物体はこの98Jの仕事によって位置エネルギーを得る。
エネルギー保存に当てはめると位置エネルギーは98Jということになる。
この物体をこの高さから落とすと9.8Nの力で地球に引かれる。
高さ5mの瞬間では位置エネルギーは半分になる。つまり49J。
ということは消えた位置エネルギーは何かに保存されなければならない。
それは運動エネルギーである。
物体が自由落下するときは重力加速度に従って加速していく。
この加速するエネルギーは位置エネルギーが保存されたものになる。
従って5mの高さでは運動エネルギーは49Jになる。
地面に落ちる瞬間は位置エネルギーは0になる。
ということは運動エネルギーは98Jということになる。
次の瞬間、地面に激突した物体は停止する。
ということは運動エネルギーが0になる。
このエネルギーはどこへ行ったのだろうか。
落ちた地面の種類でいろいろな計算方法があるそうだが
大半が熱エネルギーに変化してそのまま拡散してしまう。
後は音や地面の変形などに使われる。
さて、エネルギーが保存されるとなるとその元は何から保存されたのか。
この実験の前は人が持ち上げた。
人のエネルギーは食した有機物からATPを生産することで得られる。
ということは食された食べ物は元をたどれば植物。
植物の有機物は光合成によって得られる。
ということは大元のエネルギーは太陽エネルギーと言うことになる。
私たちの生活の99%は太陽エネルギーを保存させて活動しているのだ。
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