関東から見ると南アルプスの向こう側にあるため、
どんなに高いところに登っても見ることができない。
関東地方からは遠い存在の山である。
中部を通る西向きの航空機からは御嶽山の火口を見ることができる。
羽田に向かう便では名古屋あたりから太平洋に整列させられてしまうので
目視で山容を見るのは難しい。
私は地上からは見たことは無いが、昭和54年の今回と同規模の噴火では
長野の佐久地方の祖父母の家でも降灰を体験したことを思い出す。
御嶽山は10年から20年周期で噴火を起こす活火山である。
浅間山や桜島はほぼ火口周辺への立ち入りはできない。
ちょっと噴火がないと解除してしまうのはいかがなものだろうか。
昨日の会見でも科学者たちが口をそろえて「今の科学では予知不可能」と言う。
だったら、登らせてはだめじゃん。
人の命をどう思っているのか。
東北地方の海岸線でも建物を作る制限が厳しい。
100年周期の大津波に対する備えだそうだ。
とすれば10年20年周期の噴火に対してはもっと怖がってもいいのではないか。
予知不可能といいつつ、今月10日頃から始まった火山性微動についてはノータッチだった。
とすれば、予知不可能、観測データも生かされない予知連絡会とは何なのか。
その程度なら、出先機関ではなく学会で十分である。
そもそもこういうことを東京の会議室で決めるというのが間違っている。
けど、既得権益の関係で良くはならないだろうけどね。
もうひとつ
活火山は構造を調べると面白い。
御嶽山の空撮映像を見るとわかるが、大きな火口はなんにも無くて
低くなっている斜面が噴火している。
これは私達の住んでいるプレートが動いているために起こる。
富士山は数万年前の古富士は高さも低く現在の山塊の西に偏っている。
現在の山塊は最近(とは言っても1万年程度)できたもの。
火山としては比較的新しいのできれいなコニーデの姿を維持している。
この時の噴火で山塊は3800mまで成長して、その大量の火山灰が関東ローム層を作ったと言われる。
この世の終わりと思われるくらいの大噴火だったはずだ。
ところが江戸時代の噴火は宝永火口、山塊の東側。
富士山もマグマの出口は少しずつ動いていることがわかる。
浅間山も数万年前の火口が浅間連峰の西側の湯の丸や池の平に見ることができる。
それを踏まえて御嶽山を見ると山容はコニーデだが角度によっては山頂が幅広。
空撮では開田高原側の古い火口は埋まって平になったり池になったりしている。
南西に向かって火口群が並び今回は一番西側が噴火口になった。
地面は動いていることをこういう時に感じることができる。