作家・山崎豊子さん死去

私の大好きな作家が死んでしまった。
彼女の何が偉大なのか、今さら解説する必要もないくらい偉大な人だ。
徹底的な取材による綿密なストーリーは絶対に読者の期待を裏切らない。
さらに、凄いのはほとんどハッピーエンドは無いのである。
裁判などで勝利してもちっとも嬉しくない。
どこまでも人間の心の闇、社会の闇を掘り下げていった。
ちょうど先週末に録画してあった『運命の人』をじっくり見てしまった。
山崎作品の特徴の一つが主人公はとても一途な正義感のある人。
そのために損な役回り、というのがストーリーの主体となる。
白い巨塔の財前は違うのだが、実は相方の里見がその役回りになっている。
私は田宮二郎白い巨塔を見て以来山崎豊子にどっぷり浸かってしまった。
88歳の年齢を考えれば仕方ないことはわかっているが、残念の一言。