ヒューゴの不思議な発明

なんだかとってもウキウキする表題である。
原題では『不思議な』は入っていないようである。
1930年代のパリをそれなりに忠実に(私は知らないけど)表現している。
ファンタジーとして、もしくは青少年には良い映画なのだけど
私のような無粋なおっさんには時間を持て余してしまう。
ついつい早送りしたくなる。
その一つが1930年台の風景をリアルにCGなどで表現できているだろ、
という押し付けがちょっと鼻につく。
構内での人間模様もアクセントにはなるけどちょっとかったるい。
さらに
一つ一つのエピソードが完結していない。
結局、老人の過去だけが解明されて完結しただけだ。
主人公の少年の過去、現在が中途半端。
さらに、
初期の映画ネタが押し出しすぎてオールド映画マニア、評論家には心象がいいだろうけど
80年前では一般の人にノスタルジーを感じさせるのは厳しい。
せっかくだから、良いところも。
時代考証も含めて画面が隅々まで綺麗である。
3Dバージョンもあるそうだが、これだけの画質なら納得である。
機械式時計マニアにはそれなりに心地よい。
サラウンドシステムでそれなりの音量で聞くとわかるがほぼ全編にチクタクと聞こえている。
そして、本来ならメインになるだろう人形が良かった。
動くシーンは秀逸。
余計な話をカットして、人形に的を絞ったほうが私には良かったのだけど。
全体的にはハートウォーミングなご家族向けの映画だった。
星3つかなあ。