治療断られた、放射線で偏見

風評被害で住民を差別するなどひどいことだ。
と、関東に住んでいる私は断言できる。
しかし、実際に現場にいる立場になったときそう言えるのか。
非常時は日常とは違う。
先日、被災地での火事場泥棒はけしからんと書いた。
ところが、現地のレポートではガレキの中から食べ物を探すことは
警察官も見て見ぬふりをしているという。
ガレキを片付けるのに特別立法が必要だという。
ガレキといえども元々は誰かの持ち物、勝手に処理はできないのだ。
非常時とは日常とは違う価値観で生きなければならないということなのだ。
倫理の授業で習ったのがカルネアデスの板
海に浮かぶ一枚の板切れと二人の遭難者。
板切れにつかまらなければ沈んで死んでしまう。
こういう時相手を殺して自分が助かることをよしとするか悪しとするか。
日本人はぎりぎりの状態でも節度のある行動だと海外で絶賛されている。
しかしながら、現実はすべてが綺麗事ではない。
たとえば、現地で自閉症の子どもが避難所に行けずに困っているという。
たとえば、車椅子の身障者がガレキや段差を乗り越えられずに困っているという。
カルネアデスの板、である。