『M-1』決勝者がダウンタウンら“名作漫才”をカバー

お笑いというのは演芸と言って芸を見せるものだった。
ところが70年代の終りに鬼才横澤彪がその流れを変えてしまった。
変えてしまったのだが当時の若手人気芸人は紳助とさんまをのぞいて
きっちり基本を押さえていたように見える。
紳助さんまの能力は芸人としてではなくTVタレントとしての能力で本来のお笑いのとはちがう。
さらに今世紀に入ってからお笑いの乱造が行われ子供受けする一発芸をもてはやした。
これはある意味演芸の自虐行為であり体力を弱める。
M-1』人気はそういう大人の考えでできた番組ともいえる。
そして今回の名作漫才カバーは、芸というのはしっかりしたネタとセットであると思い知らされる。
つまり何度見ても面白いのが芸である。
それは音楽と似ているかもしれない。
数回聞いたら飽きちゃうやつと何十年も歌い継がれるものと。
演芸の芸は芸術の芸である。
ジャケンにしてはいけないし使い捨てもよろしくない。
TVの都合やスポンサーの都合でいじるのも好ましくない。
良いものは残していくというのが大事である。
今回の企画は大いに興味をそそる。