寝たきりの夫に頼まれたと書いてあるが問題の本質はそこではない。
高瀬舟の世界観だよなあ。
身体が不自由だろうと病気だろうと誰でも生きる権利はある。
ここで問われているのは権利のみしかないことだ。
最近は障害者や生活保護の人たちが盛んに権利を主張する。
権利があるのだから法的には問題ない。
しかしながら、こうして権利を放棄する権利は持ち合わせていない。
こうなると生きる義務になってしまうわけで。
医学の進歩によって、30年前ならとっくに死亡しているような人が生きていることが多い。
それがピンピンしているのならいいのだが、本件のように寝たきりで介護が必要となると。
自分が夫の立場になったとき、妻に殺してくれと頼めるか。
妻から殺してくれと頼まれた時に、死なせてやれるのか。
殺人罪で法的にさばくことは簡単だが、心情を考えるとなんとも。