日産サニー初代FF

82年当時、父が軽免許から普通免許に取り直した。
それを機に我が家でも普通車(正確には小型車5ナンバー)を購入しようと動き出す。
いろいろ紆余曲折があって(カローラの回で書いたので参照)サニーにすることになる。
試乗でのカローラGTの2TGエンジンは期待するほどのものでなかった。
ダメ元でサニー店にいく。
サニーがこの年B11型にフルモデルチェンジした。
それと同時に大改変。
まず駆動系がFFになった。
当時サニーといえばB110、B210というFRが人気があった。
カローラのようにツインカムというわけでなかったが
このA12というOHVのエンジンがモーターのように回るのである。
しかしながら設計が古くOHVは時代遅れ。
と、言うわけでB11からはE13とE15というニューエンジンが用意された。
試乗したのはその中で一番ハイパワーなEGI付きのE15E。
クラッチをつないでからその加速感に驚く。
トルクがあってエンジンは良く吹ける。
多分トップエンドは息つきもするのだろうが4千前後のフィーリングがよい。
というわけでトヨタの2TGは消えてサニーに決定した。
そこで父親にサニーカルフォルニアのカタログと見積を持って行くといきなり「ダメだ」。
「こんな酒屋の出前に使うようなクルマはかっこわるい、セダンにしろ」という。
当時ステーションワゴンというカテゴリーはまだ認知されていなかった。
父を説得、認知させるにはレガシィやカペラの出現を待たなければならなかった。
このサニーにセダンはケツが小さくて相当かっこわるい。
そこで父に「かっこわるいクルマに乗るのなら全てそれに徹した方がよい。
1.3DXという一番安いグレードにしよう。これなら父さんのクルマ選びの主旨にもあう」
と最安のグレードのカタログと見積を渡した。
しばらく経って「オイ、おまえの言ってたワゴンにする」と言われた。
これはよかった。
さて、色はどうするとの話になり妹と私は当時流行っていた黄色。
「そんな派手なワゴンで会社に行けるか」と一括された。
車種は子供の意見を受け入れたから色は親の意見で、ということで無難なシルバーに落ち着いた。
このFFサニーはパワステが無く、FF初期のためFF特有の癖も強かった。
ところが何よりエンジンがよかったため友人とドライブ、スキーに活躍した。
このクルマがまだ現役のうちに私はフェアレディZの中古を購入してそちらがメインとなる。
そのころ世の中は白いハイソカーブームになって父は同僚にそそのかされて
ホワイトパールのチェイサーを購入することになる。
このFFサニーは大活躍した割には我が家にいた期間は短かった。
後になって知人のB11サニーに乗ったことがあったが
あとになって改めて乗ってみるとハンドルは重くダイレクト感が無くフィーリングが悪い。
ミッションもグニャグニャしていてカチッと決まらない。
FF初期の悪いところ満載。
なぜか当時はこれが一番と思っていたから不思議である。
サニーはこの後トラッドサニーB12が大当たりする。
と、これが最後のピークとなりその後は不人気車種の代表みたいな感じで推移、
MCを繰り返し04年に9代目を最後に消えてしまった。

(注、写真はトヨタGAZOOサイトより)